1836 大発見!! 徹底比較シリーズ 〜単色タグ初期タイプ編〜

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今回の単色タグ初期タイプを発掘したことにより単色タグ初期タイプにも前期と後期があることが判明しました。

 

それではじっくりとご覧ください。

 

先ずはこちら↓3点が単色タグ初期タイプの前期タイプになります。

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単色タグ初期タイプ前期の特徴

①袖リブ繋ぎ目が内縫仕様

②腰リブとボディの接続部分に絞りが無い

③生地が分厚い

④袖リブが幅が広い

⑤実寸が大きくボックス型シルエット

 

 

それでは具体的に単色タグ初期タイプのどこがどう違うかを比較して解説していきます。

 

①【 袖リブ繋ぎ目が内縫仕様】比較していきます。

 

下記画像は初期タイプ前期の袖リブの内側を撮影したものです。

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3つ共に縫製は同じだと思います。

 

そしてこちら↓が単色タグ初期タイプ後期のものです。

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明らかに同じ単色タグ初期タイプでも袖リブ裏の縫製に相違があります。

 

 

もう既にご存知な方もいるかと思いますが袖リブ裏の内縫仕様は『タタキタグ』の中期タイプから最終タイプまでのディテールです。

 

実はタタキタグ期までと思っていたディテールは単色タグ初期タイプの前期まで残っていた事がこれで判明しました。

 

単色タグ初期タイプ前期はまさにタタキタグから単色タグの過渡期モデルに該当します。

 

ちなみにタタキタグ期中期タイプから後期タイプの袖リブ裏がこちら↓です。

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タタキタグ中期タイプの袖リブ裏

 


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タタキタグ後期タイプの袖リブ裏

 

先程の単色タグ初期タイプ前期と縫製が同じです。

 

続いて②【 腰リブとボディの接続部分に絞りが無い】を比較してみます。

 

分かりやすいように単色タグ初期タイプ前期だけを重ねて撮りました。

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3つともボディとリブの接続部分がフラットです。

 

次にこちら↓

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明らかに上下でボディと腰リブの接続部分の繋げ方が違うのがお分かりでしょうか?

 

上側の繋ぎ方は基本的に刺繍タグ期まで続きます。

 

①同様、やはり今回も単色タグ初期タイプ前期はタタキタグ期の接続部分に近いディテールです。

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ボディと腰リブの接続部分に絞りがありません。


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こちらも。

 

単色タグ初期タイプ後期はこちら↓

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ボディと腰リブの接続部分に絞りあり。

 

 

次に③の生地が分厚いについて

写真からは伝わりにくいですが明らかに単色タグ初期タイプでも前期と後期で違い、前期の方がもちもち感があり、より肉厚です。

 

こちらが前期↓

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この画像が前期の肉厚感、もちもち感が1番伝わる気がします。

 

お持ちの単色タグ初期タイプと比べてみてください、違うと思います。

 

さらに次の④の【袖リブの幅が広い】を比較します。

 

こちらをご覧ください。

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新しくなるに連れてリブ幅が狭くなっています。

 

ちなみにトリコタグ期に入ると逆に広くなります。

 

せっかくなのでタタキタグ初期タイプからトリコタグ中期タイプまで袖リブを並べて撮りましたのでご覧ください。

※もしかするとこの様に比較したのは世界初かもしれません。

 

少しずつ変化が見て取れるのが面白いです。

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こう見るとタタキタグ中期タイプから単色タグ初期タイプ前期迄と単色タグ初期タイプ後期からトリコタグ中期タイプ迄で袖リブは大きく変化したのが分かると思います。※袖リブ裏の縫製方法として。

 

それでは戻って最後の特徴⑤の【 実寸が大きくボックス型シルエット】を比較します。

 

単色タグ初期タイプ前期

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実寸

着丈60cm

身幅59.5cm

肩幅51cm

袖丈64cm

 

単色タグ初期タイプ後期

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実寸

着丈63cm

身幅58cm

肩幅51cm

袖丈59cm

 

顕著に違いがあるのが着丈と袖丈です。

 

特に袖丈は5センチも違います。

 

まさにタタキタグの過渡期モデル規格と単色タグ初期タイプ規格での差ではないでしょうか。

 

タタキタグはサイズよりも大きいと言われる方が多い傾向で、Lサイズが丁度良い方もタタキタグではMを選ぶと聞いたことがあります。

 

以上の違いからリバースウィーブの単色タグ初期タイプには前期と後期が存在します。

 

今回の考察からリバースウィーブのタグによる年代判別法に一石を投じます。

 

2019年3月30日、日本から出版された『VINTAGE CHAMPION』では1970年から1981年が単色タグ期の年代としてご紹介されています。

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が、しかし2021年にアメリカから出版された『TAG & THREADS GUIDE TO VINTAGE CHAMPION』では単色タグ初期タイプはなんと1969年〜EARLY1970年代と記載されています。

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これまで、日本のガイド本を信じていましたが、今回の単色タグ初期タイプ前期があまりにもタタキタグ期に近いディテールなのとアメリカのガイド本より、単色タグは1960年代から存在していたことにより考えが変わりました。

 

根拠もデータもあり間違いないと思います。

 

ここまでご覧の皆さま、如何でしたでしょうか。

 

リバースウィーブマニアとしては今回、比較して新たな発見もあり楽しかったです。

 

これから単色タグ初期タイプの見方が少しだけ変わりそうです。

 

価値の部分でも1960年代と1970年代では全く変わってきます。

今後の単色タグ初期タイプ前期の評価が楽しみです。

 

長い間、ご覧いただきありがとうございました。

 

これからも楽しく頑張ります。