以前からキャントバステムのデニムパンツは探していましたが、サイズと状態良好な個体がなく、初売りでようやく見つけました。
5ポケットではなくペインターパンツのようにサイドにもポケットが付くパンツですが、ヘビーオンスデニムなので触った感じペインターパンツには感じられません。
また、1940年代特有の天然インディゴブルーを使用しており、色落ちも大変期待される逸品です。
それではご紹介していきたいと思います。
今から約80年前のデニムとは思えない程の濃さを保っています。
シルエットは40'sらしい太くてストレートです。
ステッチ糸は全てイエローステッチでした。
荒々しい色落ちをしかけています。
このキャントバステムのデニムパンツは人気だったのか1960年代か1970年代までこのサスペンダーボタンが付いたモデルは存在します。
なのでサスペンダーボタンが付いているからリーバイスのように古いとは一概には言えないモデルでもあります。
股UFOリベットが付いていました。
股リベットは通常、1940年代までのディテールですがこちらもこのモデルは1950年代まで続きます。
こちらのモデルは通常、リベットは全てUFOリベットでした。
トップボタンとサスペンダーボタンはこちらのキャントバステムの刻印が黒で入ったのが特徴で1950年代まで使用されています。
全てイエローステッチ。
コインポケットにはリベットは付きません。
サスペンダーボタンの裏リベットは1940年代迄のツープロング仕様です。
後ろはこんな感じです。
濃いですね。
少しずつアタリが出てきています。
こちらも。
パッチは布パッチで、バックポケットには剥き出しリベットが付いています。
こちらも古いディテールで1950年代には消滅します。
明らかに1950年代迄のデニムの染料と違う特有のインディゴブルーを使用しています。
この布パッチだけでも価値がありそうです。
タグは通称『白タグ』です。
1940年代のタグは布パッチで上から
・CAN'T BUST'EM
・TRADE MARK
・UNION MADE
・GOLD LABEL
この4つが刺繍されています。
※1930年代は黄色の布パッチでした。
タバコか財布か入れていたのでしょうか。
ポケットに少しアタリがでています。
ポケット内側にはユニオンチケットが付いていました。
裾はオリジナルレングスでチェーンステッチです。
もちろんイエローステッチです。
トップボタン裏は無刻印のツープロング仕様です。
トップボタン以下はボタンフライのドーナツボタンで『CAN'T BUST'EM』の刻印が入ります。
拘りを感じます。
ここも好きなポイントです。
裏返しました。
裾までテーパードのかからないストレートだと分かります。
生地の厚さ、荒々しい生地感が伝わるでしょうか。
裏のリベットは全てツープロング仕様でした。
この仕様なだけでテンションが上がります。
耳がはみ出ているのが分かりますでしょうか。
生地の端を日本人は『耳』と呼び、こぞって耳ありを評価しがちですが、この時代は端の耳を見せないように敢えて織り込みより丁寧な縫製で仕上げていることが分かります。
簡素化する前は出しっぱなしにはせず、織り込んでいたと推測します。
とはいえ、やはり耳が少しでも見えると嬉しく感じますね。
という事は、ステッチを片方だけ取れば、耳が付いていると語ることのできる物だと判明し、満足度はより高まりますね。
股リベット裏はこんな感じです。
こちらもツープロング仕様。
ポケット裏に何やらスタンプが押されていますが何でしょうか。
厚くて良い生地感です。
生地感が伝わるでしょうか。
唯一、リペアがありました。
バックポケット裏にリベット(ツープロング仕様)が付いています。
ユニオンチケットの裏側はこの様に適当な縫われ方でした。
ユニオンチケットを縫った勢いのまま下側のサイドポケットの縫製に向かっていて面白いですね。
この様な感じでそのままサイドポケットの縫製に向かっているのが分かりますでしょうか。
バックポケット裏のリベットです。
このリベットだけでも最近では古い物だと分かるようになりました。
布パッチの裏側です。
股下の裏側です。
このステッチのみ紺色を使用していました。
コインポケット裏はダブルステッチでした。
見せたい、見せることのできる箇所は大体、撮りました。
本当に素晴らしい完成されたデニムパンツでした。
素晴らしいパンツを譲ってくださりありがとうございました。
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