入手した際は、Lightningの『ヴィンテージワークウェア』に載っていると思っていましたが、一切載っていませんでした。
また、Lightningの『VINTAGE DENIM extra』や『ヴィンテージデニムの教科書』や『ヴィンテージデニムの教科書 完全版』にも載っていませんでした。
但し、古いカバーオールだという事だけは間違い無いです。
Lightningのビンテージデニムの教科書に、ボタンではありませんが近いタグなどが存在します。
これがこちら。
どちらもワークブランド『SEARS ROEBUCK』から発売されたタグです。
タグ内の8の中に『oz』を刻印するデザインがこちらのカバーオールのボタンと非常に近いです。
よっておそらく シアーズローバックのプライドブランドだと思われます。
全体のシルエットも古いカバーオール特有の若干、A型のシルエットにも見えます。
シルエットがもうカッコイイです。
襟の形状は40'sの特徴で少し大きく、襟先に向かい若干湾曲しています。
襟は白糸でダブルステッチ仕様。
向かって左胸はフラップ付きの丸みを帯びたポケットが付いています。
カンヌキ留が赤糸なのもアクセントで良いです。
向かって右側のポケットにはペン刺し用と懐中時計用ポケットになっています。
今回のカバーオールのポイントはこのボタンデザインです。
ボタンには『8oz』と『SANFORIZED』の刻印が入っています。
このボタンは初見でどこのガイドブックにも載っていません。
裾先は1940年代によく見られるディテールでテーラードジャケットの名残です。
このディテールだけでも古いと分かります。
縫いっぱなしではなく、裏地まで丁寧に作られています。
若干、下側につれて広がるシルエットが分かりますでしょうか。
推測ですが、1940年代でも大戦モデルより前のカバーオールかもしれません。
1940年〜1944年頃でしょうか。
向かって右下の丸みを帯びたポケット。
下側だけ丈夫にするため、ポケット内側に当て布が施されています。
こちらも同様です。
丸みを帯びたポケットが◎。
袖口も状態良好。
良い色合いとデニム特有の香りがします。
カフスのボタンは1つのみ。
台襟が付いています。
1940年代から1950年代のディテールです。
穴も一切無いです。
ステッチは全てダブルです。
丁寧な仕事っぷりが良いです。
ボタンホールもホツレなく良好。
1940年代の特徴の一つですが、ボタン裏のリベットが小さ目です。
1950年代以降、ボタン裏のリベットが大きくなります。
拡大すると、ボタン裏リベットはツープロング仕様でした。
こちらも1940年代の特徴です。
内ポケットが一つ付いています。
台襟を裏から。
濃紺デニムですね。
ここたけでも価値あるディテール。
実寸
着丈75cm
身幅65cm
肩幅50cm
袖丈63cm
袖口ノーダメージ。
よくぞ約80年前のカバーオールがキレイな状態で残ってくれました。
素晴らしくカッコイイです。