入手困難度☆☆☆☆
昨今、1960年代のメイヨスプルースのタグが付いたピーナッツシリーズのビンテージスウェットは高騰が著しいスペシャルな個体。
期待もしていませんでしたが、先日開催されたビンテージマーケットにて初日の午前中に発掘しました。
手に取り、改めてデザインもそうですが、さすが60年代のビンテージスウェットなだけに、生地も肉厚でモチモチして上質です。
人気だけが先行した高額な物とは別物だと確信しました。
このタグが付いているのといないのでは価格は雲泥の差があると思います。
下側に100%コットンの記載が確認できる事から、間違いなく1960代のスウェットだと判断できます。
※1960年代半ばにアメリカでは消防法改正により、100%コットンが禁止されるようになり、100%コットン表記のタグは消滅し、コットンに化繊が少しずつ増えるようになっていきます。
シルエットはボックス型で、袖丈も十分あります。
身幅が59cmもあるのが嬉しいですね。
おそらく、乾燥機に入れずに着用していたのではと推測します。
以前からビンテージスウェットのスヌーピーを入手するなら、レッドバロンと思っていました。
まさか本当に入手できるとは思いもしていなかったので、嬉しいかぎりです。
マスタードボディに黒染み込みプリントなところもポイント高いです。
右下に見える達筆なサインは作者『チャールズ モンロー シュルツ』のシュルツ(SCHULZ)をサインにしています。
コピーライトには1965とプリントが僅かに確認取れます。
リブの状態も概ね良好です。
腰リブは胴筒仕様(丸胴)。
こちらのデザインを深くご存知の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
今回は深く考察していきたいと思います。
先ずは『レッドバロン』とはなんなのか?からご説明したいと思います。
レッドバロンとは
1914年から始まる第一次世界大戦下のドイツで有名な撃墜王『 マンフレート・アルブレヒト・フォン・リヒトホーフェン男爵』が操縦していた爆撃機のことを指します。
この爆撃機は敢えて真っ赤な機体にして相手を、動揺させる精神的効果があったとされています。
ボディのプリント『 ”Curse you Red baron!”』とは
くたばれ、レッドバロン!と訳される事から、作者はレッドバロンに対して敵対視していることが分かります。
何故、敵対視するのか?
スヌーピー(ピーナッツ)の作者『 チャールズ・モンロー・シュルツ』。
両親はドイツ系移民の父とノルウェー系移民の母の間の貧しい家庭で生まれました。
第一次世界大戦頃に両親はドイツからアメリカに移住しています。
移住の正確な理由は分かりませんが、ドイツに嫌気がさして移住したと考えられます。
アメリカに移住後、1922年に作者はアメリカはミネソタ州で生まれます。
推測では、両親はドイツについて作者に良いイメージを与えなかった事からピーナッツの物語でも間接的にドイツの英雄をパロディ化して皮肉っていたのではと思います。
ちなみに、この撃墜王をやっつけたのがイギリスの空軍パイロット『アーサーブラウン 大尉』と言われており、それにスヌーピーは扮していると言われています。
スヌーピーの飼い主はチャーリーブラウン、レッドバロンを追撃したのがアーサーブラウン、同性なのは偶然でしょうか、それとも敢えてでしょうか。
定かではありませんが、その辺も面白いです。
このデザインには深いストーリーを感じます。
リブは共に良好。
ノーダメージ。
4本針(フラットシーマ)で最後まで縫われています。
後ろ姿も綺麗です。
歴史的背景も感じさせるデザイン、単純に可愛いデザイン、上質な生地感、サイズ大きめ、タグ付き(MAYO SPRUCE)、レアカラーなマスタードと何役も揃ったまさにスペシャルピースです。
決して安くはありませんが、2025年5月5日初POP UPにて販売予定です。