
入手困難度☆☆☆☆☆
なんやかんやで、Weldon Irvine氏のレコードで1番聴いていたアルバムと言えば、間違いなくこちらと答えます。
捨て曲は一切ない通して聴ける最強アルバムだと思います。
そんなスペシャルなレコードのシールド(デッドストック)を発掘しました。
しかも、ゴールドスタンプのプロモーション盤です。
もう、2度と出会えないような気がします。
※1919回更新のWeldon irvine sinbadのシールドとは別のシールドです。
前回のはプロモーション盤では無いシールドでした。
それではWeldon Irvine氏について、そしてこのアルバムの魅力と曲紹介をしていきたいと思います。

Weldon Irvineとは
1970〜80年代のソウル/ジャズ/ファンクのクロスオーバーを語る上で欠かせない存在で、音楽的にはもちろん、思想面でも非常に影響力のあった人物。
略歴と功績
バージニア州ハンプトン出身。1965年にNYへ移住し、70年前後にはニーナ・シモンのバンドリーダー(音楽監督)を務めました。代表的業績として、シモンの名曲「To Be Young, Gifted and Black」の歌詞を担当。公民権運動の象徴曲として知られます。
シールドでプロモーションゴールドスタンプ
自主レーベル/出版社「Nodlew(“Weldon”を逆綴り)」を設立し、『Liberated Brother』(1972)、『Time Capsule』(1973)をリリース。スピリチュアルな語りとジャズ・ファンクを融合させた初期代表作です。
その後RCAと契約し『Cosmic Vortex (Justice Divine)』(1974)、『Spirit Man』(1975)、『Sinbad』(1976)へ。『Sinbad』はDon Blackman、Eric Gale、Michael Breckerらが参加し、マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーのカバーも収録した充実作として定評があります。
1979年『The Sisters』収録の「Morning Sunrise」は後年ヒップホップに多数サンプリングされます(後述)。90年代にはヒップホップ世代と積極的に共演し、Mos Def(現Yasiin Bey)『Black on Both Sides』等に参加。Q-TipやMos Defらを導いたメンターでもありました。
2002年にニューヨーク州ロングアイランドで逝去。

サウンドの特徴
エレピ/クラヴィネット/オルガンの艶と粘りを活かしたメロディと、政治的・精神的テーマを帯びた楽曲構成。Nodlew期はスポークンワードを交えた内省的世界観、RCA期はスケール感のあるソウル・ジャズ寄りのアンサンブルが持ち味です。

サンプリングと後世への影響
「We Gettin’ Down」(『Spirit Man』収録)がA Tribe Called Quest「Award Tour」の骨格に。
「Morning Sunrise」(『The Sisters』)はJay‑Z「Dear Summer」ほか多数で引用。
追悼作としてMadlibが『A Tribute to Brother Weldon』(2004)を制作。2019年にはドキュメンタリー映画『Digging for Weldon Irvine』も公開され、再評価が進みました。
曲紹介
A面
1. Sinbad
アルバムタイトル曲であり、異国情緒漂うイントロから始まる壮大なジャズファンク。
Don BlackmanのエレピとWeldon Irvineのシンセが織りなす浮遊感が特徴。
タイトルはアラビアンナイトの冒険譚に由来し、演奏全体にスピリチュアルで旅情あるモチーフが流れる。
2. Don’t You Worry ’Bout a Thing
Stevie Wonder(1973年『Innervisions』)の名曲カバー。
原曲のラテンテイストを残しつつ、リズム隊はよりタイトでジャズ寄り。
Eric GaleのギターとMichael Breckerのサックスがソロで掛け合い、都会的でクールな雰囲気に昇華。
3. What’s Goin’ On
Marvin Gaye(1971年)の社会派名曲を、より深いスピリチュアル・ジャズアレンジで展開。
原曲の優しさは残しつつ、インスト部分ではコズミックなシンセやホーンセクションが加わり、Weldonらしいメッセージ性の強い解釈に。
この曲順でA面のカバー2連発は当時としても挑戦的。
4. I Love You
Don Blackman作曲&ヴォーカルのメロウソウル。
甘く洗練されたメロディが、70年代後半のアーバンソウル感を漂わせる。
短いながらもアルバム全体の緩急をつける重要な配置。
B面
1. Music Is the Key
W. IrvineとT. Smith共作の軽快なジャズファンク。
「音楽こそが心を解き放つ鍵」というポジティブなテーマ。
Randy Breckerのトランペットとホーンアレンジが非常に華やか。
2. Here’s Where I Came In
ミディアムテンポのソウルジャズ。
メロディは優雅で、エレピとホーンが柔らかく絡む。
アルバムの中で最もリラックス感のある楽曲。
3. Gospel Feeling
タイトル通り、ゴスペル由来の高揚感を持ったクロージング曲。
コール&レスポンス的なバックヴォーカルと、オルガンの温かみが印象的。
Weldon Irvineが敬虔な信仰心を持っていたことを象徴する締め。
総評
『Sinbad』は、Weldon IrvineがRCA時代に到達したジャズファンク〜ソウル〜スピリチュアルの融合点。
カバー曲では彼流のアレンジ力を、オリジナル曲ではメロディメーカーとしての実力を存分に発揮しています。
豪華ミュージシャン陣と都会的なアレンジにより、レアグルーヴファンにも愛される一枚です。
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