
入手困難度☆☆
■ 基本情報
生年:1947年9月26日
出身:ニューヨーク生まれ → フロリダ育ち
主楽器:ドラム(パーカッション)
活動ジャンル:ソウル/ファンク/ジャズ・ファンク
■ 音楽キャリアの流れ
① 若年期:ドラマーとしてキャリア開始
高校時代からドラムを始める
その後 Florida A&M University(FAMU) で音楽を学ぶ
この時点で既にパーカッショニストとして完成度が高い
彼は「鍵盤奏者」ではなく、リズムの人。
② インディアナポリス時代(重要)
1969年頃から インディアナポリス周辺で自身のバンドを率いる
この地域は
David Axelrod
Funk Inc.
24-Carat Black
などを輩出したMidwest黒人ファンクの重要拠点
③ Lou Donaldsonとの邂逅
1972年、ジャズ・サックス奏者 Lou Donaldson に見出される
Donaldsonの名作
『Everything I Do Gonna Be Funky』
『Cosmos』
などに参加
ここで **「ジャズ × ファンクのグルーヴ職人」**として評価が確立。
といった経歴の方です。

ジャケット裏のCEASAR FRAZIER氏のアフロがカッコイイですね。

それでは曲紹介していきたいと思います。
Side A
1. Hicky-Burr
(Bill Cosby / Quincy Jones)8:05
アルバム冒頭にして世界観を決定づける代表曲。
もともとはビル・コスビーのコメディ用テーマですが、ここでは完全にインスト・ファンクとして再構築。
太いエレピのリフ
粘りつくようなベースライン
徐々に熱を帯びるホーン
「笑い」を出発点にしながら、シリアスでクールなアーバン・ファンクへ変換する手腕は見事。
長尺ですが一切ダレません。
最高にカッコイイ一曲。
2. Ellie’s Love Theme
(Isaac Hayes)5:00
アイザック・ヘイズ作曲、映画『Shaft』系譜の官能的ラブテーマ。
ストリングスとエレピの絡み
夜の都会を想起させるムード
甘すぎない、大人の色気
ファンクというよりソウル・ジャズ/シネマティック・ソウル寄りで、
アルバムの温度を一段落ち着かせる役割を担っています。
3. See-F
(Ceasar Frazier)4:37
フレイジャー自身のオリジナル。
軽快なリズム
浮遊感のあるキーボード
抑制の効いたファンクネス
派手さはないものの、ミュージシャンとしての作曲センスがよく出た一曲。
アルバム全体の「知的さ」を支える縁の下の力持ち。
Side B
4. Hail Ceasar!
(Melvin Sparks)6:23
アルバムの核心。
メルヴィン・スパークス作曲という時点で勝ち確ですが、内容も圧巻。
ワウギター × エレピの黄金コンビ
タイトで黒いリズム
スロー・ファンクの極致
70sファンクの教科書的名演であり、
Rare Groove/Jazz-Funk文脈でも最重要トラックのひとつ。
5. Make It With You
(David Gates)4:42
ブレッドの名バラードを完全にブラック・ミュージック化。
原曲の甘さを残しつつ
ソウルフルで温かいアレンジ
日曜の午後のような空気感
アルバム中、もっとも「人間的」な一曲。
硬派な流れの中で心を緩めてくれます。
6. Runnin’ Away
(Sylvester Stewart)4:55
スライ・ストーン作。
オリジナルの哀愁を保ちつつ、よりインスト・ファンク寄りに昇華。
ミニマルなグルーヴ
反復が生む中毒性
静かな高揚感
アルバムのラストに相応しい、余韻を残すクロージング。
アルバム全体の位置づけ
ジャンル:Jazz-Funk / Soul-Jazz / Early Rare Groove
特徴:
派手さよりも構築美
黒人知識層の音楽的美意識
夜・都市・内省
派手なレア盤ではありませんが、
**「内容で勝負する1972年ファンク/ソウルの最高峰」**の一枚です。

EAST BOUNDについて
設立:1969年
母体:Westbound Records(デトロイト)
創設者:Armen Boladian
拠点:デトロイト(モータウンの裏側)
EASTBOUND は Westbound の“ブラック・ミュージシャン主導”実験レーベル
よりジャズ/ファンク/インスト志向 に特化
EASTBOUND の音楽的特徴(重要)
① インスト・ファンクの拠点
長尺トラック
展開重視
ダンスより「没入」
DJ向け・聴き込み向け 両立
② ジャズ×ファンクの高度な融合
エレピ(Fender Rhodes)
ジャズ的コード感
ホーンは抑制的
モータウンの「歌モノ」とは真逆の哲学
③ 黒人知識層の音楽
大学・都市部ミュージシャン
映画音楽的構成
社会的緊張感を内包

アルバム1枚通して聴き続けられる、名盤だと自負しています。
オススメです。