
古いスウェットになればなるほど、生地の厚みがあり、頑丈で丈夫です。
当時は全てにおいて使い捨てという概念はなく、いかに丈夫に長持ちする物を作る事が企業の理念だった筈ですし、消費者もそれを求めていました。
まさに両Vビンテージスウェットを製造していた頃はその精神に則り、ものづくりしていたので、生地は頑丈で丈夫、つくりも丁寧でした。
そして、大戦後、特に1950年代から映画ではジェームスディーンが、音楽ではエルビスプレスリーが若者(特に大学生)に絶大なる人気を博し、ファッション中心の量産時代に突入していきます。
ファッションを楽しむ事が重要視され、企業はそれに伴い、頑丈に強く作るよりも、より売れる事が企業理念に変わっていきました。
私見ではありますが、1940年代までは質の時代、1950年代以降は量の時代と移り変わる転換期だったと思っています。
もちろん、1950年代は過渡期ですので、まだまだ質に拘るメーカー、ブランドも多くあったとは思いますが、大きな流れとしては間違いないです。
※但し、1942年から1945年は大戦中なので、物資統制令により、企業としては質を敢えて落とさざるを得ない状況ではありましたので、その期間を除く1940年代と言う意味合いです。
話を戻します。
そして今回のビンテージスウェットですが、結果から申し上げますと、1930年代後半から1940年代前半の個体なので、まさに質の時代です。

とにかく、生地が厚く、コットン質感ががモチモチでもありそれでいて、ある程度硬さもあります。

ステッチの糸も太く、1940年代後半よりも糸の入り方も不均等であります。

また、リブとボディのステッチが4本針ではなく2本針なのが、古い証です。
もちろん、はめ込みです。

前Vガゼットが2本針のもの自体も古いものの証ではありますが、オール2本針は本当に見ません。

しかも今回の個体のポイントはサイズです。
実寸
着丈59cm
身幅64cm
肩幅57.5cm
袖丈51cm
間違いなくXLはあります。
この当時のビッグサイズは超希少ではないでしょうか。

あと10年程所有していれば、100年前のスウェットオリジナルだと言える個体、しかも超ビッグサイズは絶滅危惧種だと思います。

ここが2本針。

裾ステッチも2本針。

前にもお話しましたが、とても古いスウェットは逆にリブがそこまで長くないのも特徴です。

幅が少し広いのも特徴です。

リブの目立つダメージは有りません。

円筒仕様。

袖先ノーダメージ。
前Vガゼット裏

裏返してみました。

綺麗が伝わるかと思います。

首のリブの高さが少し長いです。
これも1940年代までの特徴です。
※偶に50年代でもあります。

袖リブとアームの付け根にステッチのこりがあるかと思います。
この残りはオリジナルの証で、精巧に作られた復刻のビンテージスウェットはそこまでは再現していません。
復刻はステッチ残りを綺麗に取ってしまう為、
見分ける方法の一つです。


ホツレもなくよくぞこの状態で残っていたものです。

はめ込み拡大。
わざわざ、Vの部分の生地をカットして、別の生地をはめ込む事から、『はめ込み』と呼ぶ様になりました。
大変手間のかかる仕様で、1950年代前半には『はめ込み』仕様はほぼ消滅し、はめ込まずにただ、生地を上から被せて縫う仕様に変わります。

裏の裏です。

よーくみると、首リブとボディの間にタグが付いていますが、全く読み取れません。

隈なく撮ります。

厚みがあるのが、写真でも伝わるかと思います。

全て2本針仕様。

譲っていただいた、金町の古着屋さん、ありがとうございました。
大切に着たいと思います。