
The Fatback Band – Yum Yum(1975 / Event Records EV-6904)
入手困難度:☆☆☆★★(3/5)
判定理由
オリジナル盤は比較的見つかる
ただし近年のRare Groove人気で美品は減少
シュリンク付きEX〜NM盤は探すと意外に少ない
今ではこのジャケットデザインでは販売出来ないので、ある意味貴重ですね。

この裏ジャケットから読み取れる情報を、コレクター目線も交えて整理します。
基本情報
The Fatback Band – Yum Yum
レーベル:Event Records
品番:EV-6904
発売年:1975年
製造国:アメリカ
配給:Polydor Incorporated
Printed in U.S.A.
収録曲
Side 1
Yum Yum (Gimme Some) – 4:04
Trompin’ – 3:55
Let The Drums Speak – 3:57
Put The Funk On You – 3:09
Feed Me Your Love – 3:48
Side 2
Boogie With Fatback – 4:45
Gotta Learn How To Dance – 3:45
If You Could Turn Into Me – 4:11
(Hey) I Feel Real Good – 6:03
録音情報
録音スタジオ
Blue Rock Studio, New York City
エンジニア
Eddie Karvin
Jim Rothbun
リミックス
Media Sound, NYC
当時のニューヨークの主要スタジオで制作されたことが分かります。
アレンジャー情報
曲ごとに担当が違います。
J. Flippin
Feed Me Your Love
Trompin’
Boogie With Fatback
If You Could Turn Into Me
G. Thomas
(Hey) I Feel Real Good
J. King
Yum Yum (Gimme Some)
B. Curtis
Let The Drums Speak
Put The Funk On You
R. Cornwell
Gotta Learn How To Dance
特別謝辞
裏ジャケットには
Special thanks to Gerry Thomas on Keyboard Instruments
とあります。
キーボード面でGerry Thomasが重要な役割を果たしたことが分かります。
さらに
Irene Clark Terri
がバックコーラスで参加。
裏ジャケットの紹介文
要約すると
Fatback Bandの原点はリズムである。
ディスコでライブ演奏する最初期のグループの一つであり、
強烈なベースとドラムとホーンで観客を即座に踊らせる。
本作はライブの熱気をそのままスタジオに持ち込んだ作品である。
という内容です。
コレクター目線で面白い点
① 写真が一切無い
1975年のファンク盤としては珍しく、
裏面全面を濃いブルーで統一。
文字だけで構成されています。
非常にシンプル。
そのため表ジャケットの女性モデルのインパクトが際立ちます。
② ディスコ前夜の空気
紹介文には
One of the first to play live at discos
と書かれています。
これは重要です。
1975年は
ファンク
ソウル
ディスコ
が融合し始めた時代。
Fatbackはその中心にいたグループだったことが分かります。
③ Rare Groove人気の理由
裏面紹介文でも
ベース
ドラム
ホーン
を強調しています。
後年のRare Groove DJ達がFatbackを評価した理由と一致します。
特に
Let The Drums Speak
Boogie With Fatback
などはこの思想がそのまま音になっています。

Side A
1. Yum Yum (Gimme Some)
★★★★☆
アルバムの看板曲。
ミドルテンポのファンクに甘いヴォーカルが乗る、
Fatbackらしいダンサブルな1曲。
ベースラインが非常に太く、
後のディスコファンクへの橋渡し的なサウンドです。
聴きどころ
うねるベース
キャッチーなコーラス
フロア向けのグルーヴ
2. Trompin’
★★★☆☆
インスト中心のファンクナンバー。
ホーンとリズム隊が前面に出ており、
Fatbackの演奏力の高さが分かります。
派手さは少ないですが、
アルバム全体の流れを支える重要曲。
聴きどころ
ホーンアレンジ
ドラムの切れ味
3. Let The Drums Speak
★★★★★
Fatbackの真骨頂。
タイトル通り、
ドラムが主役のファンク。
DJ人気も高く、
ブレイク部分は非常に使いやすい。
聴きどころ
生々しいドラム
パーカッションワーク
ブレイクビーツ感
4. Put The Funk On You
★★★★☆
ダンサブルなファンク。
ライブ感が強く、
Fatbackらしい黒さが全開。
70年代ニューヨークのクラブを感じる楽曲です。
聴きどころ
ファンキーなギター
コール&レスポンス
5. Feed Me Your Love
★★★★★
本作の隠れ名曲。
甘いメロウソウル。
Fatbackというとファンクのイメージですが、
実はこういうスウィート路線も非常に上手い。
聴きどころ
美しいコーラス
滑らかなストリングス感覚のアレンジ

Side B
1. Boogie With Fatback
★★★★★
アルバム屈指の人気曲。
ディスコ前夜の空気感。
フロア映えするグルーヴがあり、
Rare Groove好きにはたまらない1曲。
聴きどころ
跳ねるベース
ダンス向きのリズム
2. Gotta Learn How To Dance
★★★★☆
タイトル通りダンスチューン。
後のディスコサウンドへ繋がる楽曲。
Fatbackの持つポップさが前面に出ています。
聴きどころ
明るいコーラス
覚えやすいメロディ
3. If You Could Turn Into Me
★★★★★
本作のメロウ最高峰。
スウィートソウル好きなら非常に刺さる楽曲。
夜に聴くと最高です。
聴きどころ
滑らかなヴォーカル
洗練されたコード進行
4. (Hey) I Feel Real Good
★★★★★
アルバムのラストを飾る6分超えの大作。
Fatbackらしい
「踊れて、楽しくて、黒い」
を凝縮したような曲。
ライブで盛り上がることを前提に作られたような構成です。
聴きどころ
長尺グルーヴ
徐々に盛り上がる展開
エンディングの高揚感
総評
アルバム評価:★★★★☆(4.5/5)
ファンク度
★★★★★
メロウ度
★★★★☆
Rare Groove度
★★★★☆
DJ人気
★★★★☆
通して聴ける度
★★★★★
特に
Let The Drums Speak
Feed Me Your Love
Boogie With Fatback
If You Could Turn Into Me
(Hey) I Feel Real Good
の5曲は今聴いても全く古さを感じません。
「Keep On Steppin’」と並べるなら、内容の完成度では私はYum Yumの方をわずかに上位に評価します。

