
入手困難度
☆☆☆☆★(4 / 5)
理由
オリジナル盤の流通量が少ない
Vaya/Fania系列のためソウルファン以外は見落としやすい
近年海外で再評価
日本ではほとんど見かけない
今から約25年前に入手し、一度は手放しましたが、どうしてもまた欲しくなり、探していたところ、ネットで偶々、見つけました。
以前よりもかなり状態も良く、大満足です。
色落ちしたデニムに革ジャン、カッコイイです。

基本情報
The Alexander Review
リリース年:1975年
レーベル:Vaya Records
品番:VS-46
配給:Fania Records
録音地:ニューヨーク市
プロデューサー:Mark Alexander Diamond
この盤の重要人物
Mark Alexander Diamond
このアルバムの中心人物。
裏ジャケットを見ると
作曲
アレンジ
ピアノ
クラビネット
ムーグ
リードボーカル
プロデュース
を担当。
つまり実質的には
「Mark Alexander Diamond のソロプロジェクトに近い作品」
です。
レアグルーヴ的に重要な人物
Robin Kenyatta
サックス奏者。
裏ジャケットには
Sax solo on
“I Want You”
“Snidely Whiplash”
とあります。
これは非常に重要です。
Robin Kenyatta は
1970年代スピリチュアルジャズ界の有名プレイヤー。
そのため
Snidely Whiplash が人気なのは彼のソロの影響も大きい
と思われます。
ミュージシャン構成
ホーン隊
Trumpets
Ray Maldonado
Danny Reyes
Tom Malone
Trombones
Bill Ohashi
Barry Rogers
Tom Malone
Sax
Andy Harlow
かなり豪華です。
Fania周辺の一流セッションマンが参加。
リズム隊
Bass
Eddie Rivera
Clyde Bullard
Drums
Buddy Williams
Congas
Azzedin Weston
この辺りもニューヨークのラテン・ソウル系では実力派。
アルバム全体のグルーヴ感を支えています。
曲名の横の記号の意味
曲名の後ろに
*(アスタリスク)
と
**(ダブルアスタリスク)
があります。
右上を見ると
= 1st session
** = 2nd session
と書かれています。
つまり
このアルバムは
別々の録音セッションを組み合わせて制作された
ことが分かります。
Beatlesカバーについて
B面2曲目
I Want You
の作曲クレジットを見ると
Lennon / McCartney
となっています。
つまり
I Want You (She’s So Heavy)
のカバー。
録音スタジオ
Good Vibrations Sound Studios
ニューヨークの1440 Broadway。
1970年代のニューヨーク・ラテンソウル作品で使われたスタジオです。
コレクター目線で重要なポイント
① Fania系作品
Fania系列は近年世界的に再評価。
サルサだけでなく
Latin Soul
Jazz Funk
Rare Groove
の人気が上昇しています。
② Robin Kenyatta参加
レアグルーヴファンに刺さる要素。
特に
Snidely Whiplash
I Want You
の価値を高めています。
全曲紹介
Side A
① Measure For Measure
アルバムのオープニング。
ホーンとリズム隊が心地よく絡むラテンソウル。
派手なレアグルーヴではありませんが、都会的で洗練されたアレンジが魅力です。
聴きどころ
ジャジーなホーン
軽快なパーカッション
夜向きのムード
② Everything You Do Is All Right With Me
アルバム屈指の人気曲。
甘く切ないスウィートソウル。
70年代ニューヨークらしい都会的な空気感があります。
聴きどころ
滑らかなコーラス
メロウなエレピ
極上のラブソング
個人的にはA面最高峰候補。
③ I Still Know You
しっとりしたミディアムソウル。
ドラマチックなコード進行が美しい曲。
派手さはありませんが、何度も聴きたくなるタイプ。
④ Snidely Whiplash
このアルバム最大の目玉。
約6分の長尺曲。
ジャズファンクとラテンファンクが融合したような内容で、DJ人気も高いです。
聴きどころ
長いインストパート
ファンキーなベース
ソロワーク
レアグルーヴ好きならまずここ。

Side B
① A Change Had Better Come
タイトル通り社会性も感じさせる楽曲。
ファンク色が強くなります。
ホーンアレンジが非常に秀逸。
② I Want You
ご存知
I Want You
ではなく、
ジャケットを見ると Lennon / McCartney クレジットなので、
I Want You (She’s So Heavy)
系統のカバーです。
原曲よりもソウル色が強く、
独特のグルーヴがあります。
アルバム中でもかなり面白い選曲。
③ Sad Sim
短めのファンクナンバー。
グルーヴ重視。
DJプレイ向きの一曲。
④ That Woman
アルバムのラストを飾る名曲。
スウィートソウル好きにはたまらない一曲です。
哀愁のあるメロディとボーカルが絶妙。
終盤で一気にアルバム全体の印象を引き上げています。

単なる無名ソウル盤ではなく、
「Fania人脈+Robin Kenyatta参加+Mark Alexander Diamond主導の都会派ラテンソウル作品」
であることが分かります。
