
入手困難度
☆☆☆☆★
ジャズファンク名盤として世界的人気
Larry & Fonce Mizell兄弟プロデュース
レアグルーヴ以降も評価が継続
オリジナル盤需要が非常に高い
現在は音楽内容の評価が非常に高く、コンディションの良いオリジナルは年々減っています。

この裏ジャケットは情報量が非常に多いので、レアグルーヴ好きの視点で解説します。
まず最初に凄いこと
このアルバムは実質、
「Mizell Brothersオールスターズ」
です。
Donald Byrd『Places And Spaces』
Bobbi Humphrey『Fancy Dancer』
Gary Bartz『The Shadow Do』
あたりと同じ人脈が集結しています。
参加ミュージシャン
Johnny Hammond
Electric Piano
Synthesizer
Organ
本作の主役。
ハモンドオルガン奏者として有名ですが、
この頃はフェンダーローズとシンセを多用しています。
Julian Priester
Trombone
ジャズ界の大物。
Sun Ra
Herbie Hancock
Duke Ellington
とも共演。
『Los Conquistadores Chocolates』の厚みを作っています。
Hadley Caliman
Tenor Sax
スピリチュアルジャズ好きなら有名人。
後にソロ作品もレアグルーヴ化。
Roger Glenn
Flute
Vibes
実は本作の隠れた主役。
『Los Conquistadores Chocolates』の幻想的なフルートはこの人。
あの空気感の半分はRoger Glennです。
Chuck Rainey
Electric Bass
これは超重要。
世界最高峰のベーシストの一人。
参加作品例
Steely Dan
Aretha Franklin
Quincy Jones
Gearsの独特のグルーヴはChuck Raineyの功績が大きいです。
Harvey Mason
Drums
これも超重要。
後のFourplay創設メンバー。
ジャズファンク史上でも最高クラスのドラマー。
『Shifting Gears』は彼の存在感が抜群です。
Larry & Fonce Mizell
右上に書かれている
Produced by Larry and Fonce Mizell
これが最重要情報。
この兄弟が
1970年代レアグルーヴの中心人物です。
代表作
Donald Byrd / Places And Spaces
Donald Byrd / Stepping Into Tomorrow
Bobbi Humphrey / Fancy Dancer
Gary Bartz / The Shadow Do
Johnny Hammond / Gambler’s Life
Johnny Hammond / Gears
特殊なクレジット
Recitation on “Los Conquistadores Chocolates”
by William Jordan
これは曲中に入る語り。
あの不思議な雰囲気を作っています。
単なるジャズファンクではなく、
映画音楽的な世界観を与えています。
Larry Mizell - Solina
ここも重要。
Solinaとは
1970年代のストリングスシンセ。
この機械です。
Donald Byrd
Bobbi Humphrey
にも大量投入されています。
あの宇宙空間みたいな音の正体。
録音場所
Fantasy Studios
Berkeley, California
1975年7月録音
Fantasy Studiosは当時の名門。
音質の良さでも有名です。
Gearsの音が非常に立体的なのは録音技術の高さもあります。
面白いポイント
ジャケット裏の写真。
Johnny Hammond本人ですが、
実は表ジャケットとのギャップが凄い。
表
機械的
未来的
宇宙的
裏
普通のおじさん
この対比が面白いです。



全曲紹介
SIDE 1
① Tell Me What To Do
アルバム冒頭。
柔らかなエレピと女性コーラスが美しい。
いきなり踊らせるのではなく、
「これから宇宙旅行が始まる」
ような導入曲です。
派手ではありませんが、
何度も聴くと癖になります。
② Los Conquistadores Chocolates
アルバムの代表曲。
レアグルーヴ史上屈指の名曲。
あの独特のコード進行と、
浮遊するエレピ、
Roger Glennのフルートが最高です。
Jamiroquaiが強く影響を受けたことでも有名です。
この曲だけでも盤を持つ価値があります。
③ Lost On 23rd Street
個人的に過小評価されている名曲。
夜の都会を歩いているような雰囲気。
Chuck Raineyのベースが素晴らしく、
Johnny Hammondの鍵盤も冴えています。
レアグルーヴというより
アーバン・ジャズファンク。

SIDE 2
④ Fantasy
アルバムで最もメロウ。
タイトル通り幻想的。
深夜に小音量で聴くと凄いです。
ミゼル兄弟特有の
ストリングス
コーラス
シンセ
が美しく融合しています。
⑤ Shifting Gears
ドラムブレイク好きには有名曲。
Harvey Masonのドラムが炸裂します。
グルーヴ重視で、
DJ人気も非常に高い曲です。
Johnny Hammondの作品の中でも
かなりファンキーな部類。
後年ブレイクビーツとしても評価されました。
⑥ Can’t We Smile
エンディング曲。
優しく締めくくる名曲。
このアルバムは派手な終わり方をせず、
「気持ちよく余韻を残して終わる」
ところが素晴らしいです。

アルバム通して聴ける、素晴らしい名盤です。
何度聴いても新しい発見がある、聴きこめますので、是非一度聴いてみてください。
オリジナル盤は未だそこまで高騰していませんが、手放す方が少ないので、まずレコードショップでは最近見かけません。
