ある古着屋さんからとんでもなく貴重なビンテージスウェットを発掘しました!
その古着屋さんではこのスウェットについて何も詳細もなく売っていましたが、軍ものに詳しい方なら直ぐにお分かりいただけると思います。
但し『VJ-2』を調べてもなかなか的確な情報は得ることが出来なかったのですが、ようやく分かりましたのでご紹介したいと思います。
プリントデザインも良いですが当時のスウェットはナチュラルなフェードが素晴らしく雰囲気が良いです。
赤というより朱色かオレンジ色をしています。
また、生地感も肉厚で素晴らしく感触はもちもちしています。
当時としては珍しくラグランスリーブ仕様です。
※ラグランスリーブは私の知る限り1930年代には存在しています。
もしかすると軍ものなので腕を動かしやすくする為にラグランスリーブにしたのではないでしょうか。
首リブの生地も分厚い。
状態が良いのが袖リブをみても分かるかと思います。
脇は1940年代〜1950年代に多く見られるシングルステッチ仕様。
※リバースウィーブのタタキタグ初期タイプ以前のサイドステッチも同様の仕様です。
脇ガゼットは1960年代以降のディテールで1950年代以前は存在しません。
もちろん腰リブは胴筒仕様。
『VJ-2』
アメリカ海軍第2飛行実用隊のデザインだと判明。
このデザインは1941年〜1944年の第2次世界大戦中に用いられていました。
まさに大戦モデルです。
ちなみにWikipediaで『VJ-1』は詳細が載っていますが『VJ-2』は一切情報が載っていませんでした。
それだけ珍しいかと思います。
この『VJ-2』のステンシルの書体がまたカッコイイです。
袖口は繋ぎ目の無い胴筒仕様。
1960年代中期までのディテールです。
※たまに例外もあります。
袖リブとの繋ぎ目も古いスウェットの特徴であるシングルステッチ仕様。
1940年代のシングルステッチの糸は太くて丈夫なのも特徴です。
以前にご紹介した1940年代の針抜きリブビンテージスウェットも同様のシングルステッチでした。こちらを↓どうぞ。
赤のフェードはどのビンテージスウェットより雰囲気あります。
今から80年前のビンテージスウェット。
あと20年もすればアンティークスウェット。
よくみると首リブの糸とそれ以外の糸で色を変えています。
遊んでいます。
このビンテージスウェットの良さの一つはなんと言ってもタグがしっかりと残っているところ。
1980年代〜1990年代によく見かける『オニータ』のビンテージタグです。
通称『青タグ』と言ったり『筆記体タグ』など言われたりします。
未だレジスターマークが付かない頃の大変貴重なタグです。
このタグが付くのはおおよそ1940年代だと思います。
タグだけでも価値があります。
しかもサイズ44なのでXLくらいです。
実寸
着丈55cm
身幅58.5cm
裄丈71cm
裏返して撮りました。
裏返すと赤ボディだと分かります。
太い丈夫な糸で縫製されているのが分かるかと思います。
首リブは胴筒仕様ではなく繋ぎ目あるリブ仕様でした。
糸の色が違います。
タグ裏に刺繍無し。
裏袖リブ繋ぎ目はこちら。
脇下の繋ぎ目はこちら。
この独特なプリントは何でしょうか。
あまり見たことのないプリント素材です。
ラバーでも染み込みでもフロッキーでもフェルトでもありません。
全てのリブがノーダメージ。
リバースウィーブも良いですが1940年代のビンテージスウェットはまた別格の雰囲気と縫製の良さと生地感の良さがあります。
大切にしたいと思います。