ここまで濃紺で美品なビンテージデニムカバーオールは見つからないと思います。
それではご紹介していきたいと思います。
先ずはこのシルエットからご覧ください。
良くある縦長のカバーオールではなくボックス型をしています。
ショート丈なのが良いですね。
ポケットは4つ付いており向かって右胸ポケットは懐中時計が入るようになったディテールです。
1960年代迄に消滅するディテールです。
襟はコーデュロイ生地を使用しています。
1950年代の特徴である小型の襟です。
※1940年代はもっと大きく湾曲した形状。
洗いの回数も少ないのでコーデュロイも濃紺です。
黒に近いです。
ボタンの刻印は三角をモチーフにしています。
あまり見ないタイプです。
ヘラクレス(HERUCLES)のカバーオールに同様のボタンが使われているのでヘラクレスと同工場で作られていたもので間違いないです。
デニムカバーオールは袖口ダメージありがちですがこちらはノーダメージです。
左胸ポケット
フラップにもボタン付き。
胸ポケットの形状がなんとも可愛いです。
赤カンヌキ糸が映えます。
右胸ポケット
縫製糸のピッチ幅が狭いです。
この辺りも古いカバーオールやシャンブレーシャツによく見るディテールです。
特に1970年代以降は大量生産時代に入り縫製糸のピッチ幅が広くなり丁寧な縫製ではなくなります。
右下ポケット
横にダブルステッチが入っておりポケットを裏返すと生地強化のためデニムが2重になっています。
左下ポケット
こちらも同様。
袖辺りに良い感じでアタリが出てきています。
裏地はブランケット仕様でボーダー柄になっています。
裏に隠しポケットが付いていました。
ボタン裏『48』。
生地の端をみてください、1950年代まではここも丁寧にダブルステッチで縫製されています。
1960年代以降はもっとこの部分は簡素化されていきます。
裾先の縫製もご覧ください。
やはりここも上記同様、丁寧に縫製されています。
裾先は上下共にチェーンステッチ仕様でした。
中心とサイドと腕接続部分は全てトリプルステッチを採用。
後ろも濃紺です。
サイドステッチだけよくみるとトリプルステッチではなく紺色とデニム生地が同化していて分かりにくいですがトリプルステッチではなくフォースステッチになっていました。
こんなのは初めてです。
インディゴデニムが美しいです。
インディゴデニムの香りも良いです。
素晴らしいビンテージデニムカバーオールでした。