詳しく調べてみるととんでもなく貴重なデニムジャケットということが判明しました。
それではご紹介していきたいと思います。
カバーオールでもこちらのデニムワークジャケットは丈短めタイプです。
トップボタンとセカンドボタンに間が空いているのは1930年代までのテーラーメイド面影を残した縫製が受け継がれている証拠のようです。
こちらのブランドの特徴の一つはカンヌキが赤い糸を使用されているところです。
良い雰囲気を醸し出しています。
襟はダブルステッチです。
Lightningの『VINTAGE WORKWEAR』にRED BALLが掲載されています。
そこにはこのタグは1940年代と記載があります。
ちなみに1950年代のタグにはこのタグの下に『UNION MADE』が入り刺繍タグに変更します。
この打ち込みボタンは他のデニムワークジャケットと違い中央、赤いのが特徴です。
なかなか裏までの画像はないので撮りました。
シルエットは1930年代に多くみられる『A』に似ています。
ポケットの解説
ペンを入れる細長いポケットが付いています。さらにサイドから懐中時計を入れることが出来る特殊な仕様になっています。
※当時の古いワークジャケットには幾つも存在します。
向かって左上ポケットはシンプルなタイプで赤カンヌキが2箇所施されています。
向かって左下ポケットは上部2箇所に赤カンヌキ仕様とポケット中央やや下にダブルステッチが入ります。
このポケットの裏にはダブルステッチより下に当て布（白布）が縫われています。
良い仕事をしてくれてます。
向かって右下ポケットも同様の当て布仕様ですが、なんとカーキ色の別生地を使用したものでした。
※グリーンポケット仕様と言うようです。
大戦中はデニムの裏地にネルの生地を使用したり、リーバイス501の大戦モデルはこのデニム同様のカーキ色生地を使用しています。
まさにこの仕様だけみても大戦モデルだと言っていい程のパンチの効いたディテールです。
並べて撮影すると明らかに違う生地とお分かりかと思います。
素晴らしい景色です。
裾先は当時のテーラードジャケットからの面影から直角ではなく丸みを帯びた曲線を描いた丁寧な縫製です。
トップボタンを留めるたシルエットです。
丈短めカッコイイです。
カフスのボタンは1つ仕様。
こちらは大戦モデル期のディテールです。
ということは1940年代と断定できます。
奇跡的な袖口の状態の良さです。
天然インディゴの良い色合いをしています。
裏をみると縫製の丁寧さがわかります。
レッドボールの特徴の赤カンヌキ仕様です。
裏はこんな感じです。
弱々しい縫製なので使うと直ぐに切れていきそうです。
少し禿げてしまってますが間違いなく黒ラッカーボタン裏です。
こちらも1940年代を代表とするディテールです。
裏返しで撮影してみました。
一切の穴もない極上品です。
裏返しの後ろです。
後ろも部分的な色褪せもありません。
全てダブルステッチ仕様です。
こちらも1940年代のディテールです。
真ん中を通るのは100%コットン白糸でダブルステッチです。
ボディと腕の生地の繋ぎ目もダブルステッチ仕様です。
大戦期には多くみられるディテールです。
仕事が細部までいき通っています。
良い仕事をしています。
当時のデニム生地でこの縫製は堪りません。
あたりの色落ちの良さが伝わるでしょうか。
最高です。
この画像はパンチあります。
総括すると
年代は1942年代〜1945年。
ポケット裏の仕様や全てダブルステッチ仕様やカフスボタン1つ仕様は大戦モデルに該当する為、こちらは正真正銘『REDBALL』の大戦モデルです。
サイズ大きく、状態良く、最高のワークデニムジャケットでした。
これは運と出会いです。
ありがとうございます。
高円寺は最高です。
