以前から機関車ボタンのカバーオールを探していました。
今回、ようやく納得のいく状態、サイズを兼ね備えたものを発掘しました。
しかも色々と調べると1930年代のカバーオールであることが判明しました。
今から約90年前のカバーオールです。
信じられない位の美品です。
肩幅が狭めで裾に向かって開いていく『A』に似たシルエットです。
↓この方がシルエットは伝わりやすいですね。
※色はこれ↑意外の方が近い色合いです。
また、それ以外にも4つボタン仕様や機関車ボタン仕様なところも1930年代の特徴です。
古いインディゴブルーの濃紺です。
こちらのカバーオールの襟の形状は小ぶりなタイプで台襟は付きません。
1930年代は台襟にチンストラップが付くものが多いのですがこちらは両方(台襟・チンストラップ)無いタイプで逆にこの年代では少数派のカバーオールかと思われます。
ボタンホールのカンヌキの色はオレンジ色です。
良い配色ですね。
裾先は古いカバーオールによくある湾曲したディテール。
そこにオレンジ色のカンヌキ留めが施されていますら、
裏側はこのような感じです。
裏まで良い仕事をしていますね。
ここの仕様だけ見てもテンションが上がります。
さあ、出ました、こちらが打ち込みの機関車ボタンです。
このボタンだけでも価値があり、ボタンだけでも売ってたりします。
機関車ボタン仕様のカバーオールということでおそらく当時の汽車関係の方が着ていたと思います。
ポケットはお椀型の丸みを帯びた少し可愛さもある形状です。
全てダブルステッチ。
上部にはこちらもオレンジ色のカンヌキ留めになっております。
接続部は全てトリプルステッチです。
状態の良さがわかるかと思います。
ピンホールもございません。
トリプルステッチの右側の一本のみ緑の糸を使用しています。
遊び心でしょうか。
カバーオールの裏地のステッチの色が違うみたいな事は以前にも何度かあります。
粋ですね。
こちらも右のみ緑の糸使用。
ボタン裏はチェンジボタンでは無く重い鉄製のツープロングリベットです。
明らかに古さを感じざるを得ません。
こちらも同じく。
襟が直接付いています。
後ろからの画像です。
A型のシルエットに見えますでしょうか。
アーリーアメリカンの衣類の特徴であるテーラーメイドの名残を感じさせます。
また、よくみると右生地と左生地で若干、色が違うのが分かりますでしょうか。
色褪せからくる色違いでは無くそもそも最初から違う生地を使って作られた可能性の方が高いです。
拡大トリプルステッチ。
こちらも。
ライトニングの『ヴィンテージの教科書』や『ビンテージワークウエア』等を見ていますがこちらのような袖にボタンが付かないタイプの掲載は一つとしてありませんでした。
謎のワークカバーオールですね。
肩幅狭く、裾に向かって『A』のように開いていくシルエットが分かりますでしょうか。
実寸
着丈72cm
身幅56.5cm
肩幅45cm
袖丈62.5cm
1930年代であるディテール
・機関車ボタン仕様
・肩幅が狭い。
・裾に向かって『A』のシルエット。
・台襟が無い。
・4つボタン
・襟の形状が小さい。
・アームホールが狭い。
その他ディテール
・ボタン裏リベットはツープロング仕様。
・裏地のトリプルステッチ1本だけ緑糸使用。
・裾先、湾曲仕様
・オレンジ色カンヌキ留め
素晴らしいカバーオールでした。