
入手困難度☆☆☆☆☆
もう、この機会を逃すと入荷日に並ばないと手に入れる事が出来ないであろう、スペシャルなアルバムを発掘しました。
全曲隈なく解説していきたいと思います。

ちなみにロイポーター氏の上着はリーバイスでは無く、3rdタイプのスナップボタン仕様ジャケットでした。
ボタンに刻印が入っているかどうか微妙ですがおそらくストア系では無いかと思われます。
このレコードで服の考察をしている人は初めてではないでしょうか。
ちなみにベルトは革製でバックルにはウエスタンのデザインが入っていました。

裏のデザインは何だか素人が作成したであろうマイナー感満載です。

この画像から読み取れる情報は下記ご覧ください。
録音場所 & 録音時期
Recorded at SPECTRUM STUDIOS – Venice, CA.
March, 1975
情報
録音スタジオ:Spectrum Studios(カリフォルニア・ベニス)
録音時期:1975年3月
レーベル情報
BEL-AD RECORDS
4307 So. Broadway, Los Angeles, CA. 90037
©1975 Bel-Ad Records
情報
レーベル:Bel-Ad Records
所在地:ロサンゼルス(South Broadway)
著作権表記:1975年
プロデューサー情報
Producers — ROY PORTER, ARNE FRAGER
情報
• Roy Porter(ロイ・ポーター):ドラマー/バンドリーダー。Jazz〜Funkまで幅広い活動。
• Arne Frager(アーン・フレイジャー):ベース、ARPシンセのプレイヤーであり、同時にエンジニアでもある。
推定
Roy Porter自身がプロデュースに関わっているため、
本人の完全監修=音質・編集方針がアーティスト直系であることを意味します。
エンジニア情報
Engineers — ARNE FRAGER, JAMIE WILSON
推定
Arne Frager が演奏とエンジニアの両方にクレジットされているため、
制作体制はほぼインディーに近く、少人数でまとめている=ローカル感強め。
ジャケット・フォトの担当者
Album Photo Cover — PHIL SCHALLER
大手レコード会社所属のフォトグラファーではなく、ローカルの独立系フォトグラファーと推定
これも自主制作盤らしい特徴。

それでは曲ごとに解説していきたいと思います。
SIDE 1
1. PARTY TIME — 3:45
明るく跳ねるファンク。
ホーン(トロンボーン/トランペット)が前に出て、電気ピアノが軽快に支える“パーティー感”全開の曲。
Roy Thompson のドラムがタイトで、クラブでも使えるタイプ。
2. LOVE YOU — 3:12
ロイ・ポーター本人が歌うスウィート系ファンク。
優しいメロディに、リズムセクションが柔らかく寄り添う。
Hense Powell のアレンジで、甘くも切ない雰囲気が特徴。
3. PANAMA — 3:19
ラテン色のあるスピード感ファンク。
フルート(Jack Fulks)が軽やかに飛び、パーカッションも熱い。
全体的に“疾走系ジャズ・ファンク”で、アルバムの中でも特にテンション高め。
4. JESSICA — 4:08
スピリチュアル寄りの深いジャズ・ファンク。
Roy Porter がボーカルを取り、サックス(Jack Fulks)とシンセ(Arne Frager)が幻想的な雰囲気を作る。
夜のムードを感じさせる濃厚な一曲。
SIDE 2
5. WAVER-ING — 6:03
アルバム中で最も“長尺&展開型”のドラマチックな曲。
カルロス・ジョビン作曲だが、完全にブラック・ファンクに変換されている。
ギター、エレピ、サックスが順にソロを取る構成で、非常に“聴かせる”内容。
6. FUNNY FEELIN’ — 2:33
短めで勢いのあるストレートファンク。
トランペット&ボーカル(Hugh Bell)が曲の主役。
軽快でキャッチー、シングル向きの分かりやすいファンク。
7. OUT ON THE TOWN TONIGHT — 3:22
トロンボーンが主役のモダン・ファンク。
Wallace Huff が前面で歌い上げる“都会的な夜”を思わせるミッドテンポ。
ホーンのメロディラインが印象に残る。
8. GIVIN’ ME THE BLUES — 3:30
ジャズ感の強いブルース・ファンク。
Roy Porter のドラムがしっかり支え、サックスやギターがブルージーに絡む。
アルバムの締めにふさわしい、落ち着いた黒さが魅力。
まとめ:このアルバムの特徴
Side1:華やか・軽快・メロディアス
Side2:深い・濃い・演奏力重視
曲ごとに個性が強く、セッション色の濃い“本物のローカル・ファンク”。

《参加ミュージシャンの役割まとめ》
トランペット
Hense Powell(アレンジャーも兼任)
Hugh Bell(ボーカルも兼任)
トロンボーン
Wallace Huff
サックス
Jack Fulks(テナー & フルート)
Prince Harrison(テナー)
Charlemagne Payne(テナー)
Clyde Dunn(バリトン)
鍵盤
Tollie Moore(エレクトリックピアノ)
Arne Frager(ARP シンセ & ベース兼任)
ギター
Randy Piggy
Herman Mitchell
Harold Grant
ベース
Charles Jones(Fender Bass)
Clarence Daniels
ドラム/パーカッション
Roy Thompson(ドラム)
Demond Gates(ドラム)
Roy Porter(パーカッション & バンドリーダー)
Frank Mastrapa(コンガ & パーカッション)
ボーカル
Hugh Bell
Roy Porter(曲によってボーカル)
《ポイント》
ホーンプレイヤーが非常に多く、厚みのあるブラスアレンジが特徴的なアルバム。
同じパートに複数の演奏者がいるため、曲ごとに個性の違う演奏が楽しめるセッション型作品。
Roy Porter(リーダー)と Hense Powell(アレンジ担当)が核。
ローカルファンク特有の“多人数・寄せ集めセッション”感が強い。

レーベル名
BEL-AD Records(ベル・アド・レコード)
ロサンゼルスのローカル/インディペンデント・レーベル。
大手ではないため、プレス枚数が非常に少ない可能性が高い。
カタログ番号
1006
これはレーベル内でのリリース順を示す番号。
BEL-AD Records が大量に作品を出していないことを考えると、
初期の数枚のうちの1つと判断できる。
ここから推定できること
レーベルの規模が極めて小さい
カタログ番号が三桁の1006であることから、
BEL-AD のリリースは多くても10〜20タイトル前後程度と考えられる。
→ ローカル・プレスの典型
→ 現存枚数はさらに少ない
本盤は“初期ロットの重要作品”である可能性が高い
番号が 1006 であることは、レーベルとして立ち上げて間もない時期の作品。
結果としてプレス枚数が少ない
再プレスの可能性もほぼない
市場流通量が極めて限られる
→ コレクション価値が上がる条件が揃っている
レアグルーヴの文脈で見ても強い評価要素
ローカルレーベル × 小カタログ番号 × ファンク/ソウル作品
という組み合わせは、海外のディガーが最も好む条件。
→ 価格が落ちにくい
→ 長期的に価値が上がりやすい
まとめ
BEL-AD Records はローカル小規模レーベル
1006 は初期カタログ番号 → プレス枚数が極めて少ない可能性
市場にほぼ出ないタイプの“真のレア盤”である根拠の一つ。

ここに写っている人物の特定もしてみたかったのですが流石に分かりませんでした。
ロイポーター氏は中央辺りの白髪でキャスケットを被って横を向いている方かと思われます。

ジャケットのサイドにアーティストとタイトルとレーベルナンバーが記載されています。
ここが読み取れるだけでも状態の良さが分かるかと思います。

ほぼミントコンディション。

こちらも。

手書きのBA-1006-A / BA-1006-Bもしっかりとありました。
これは初回プレスオリジナルの証です。
思う存分に解説しました。
ここまでこちらのレコードを解説しているブログが見当たらなかったので、超詳しく調べてみました。
まだまだ内容最高なレアグルーヴやソウルやジャズファンクなどなど、これからもご紹介していきたいと思います。
