今回ご紹介するのはビンテージのデニムカバーオールです。
先ずは歴史的背景から
時代は1940年代前半の第二次世界大戦中。
当時アメリカ合衆国も物資統制下の各ワークメーカーは大戦モデルをつくらなくてはいけなくなりました。
そんな中、各ワークメーカーは表地では統制に従いながら裏地のディテールで遊ぶようになります。(代表的なメーカー『LEVI'S』)
今回のカバーオールはまさにそんな遊び心が沢山詰まっております。
下記ディテールをご覧ください。
内側の襟元に耳が付いています。
よーく見てみると紐が解れていると思います。
ここにタグが付いていた筈ですが取れてしまっています。
大戦モデル濃紺デニムカバーオールです。
2枚生地を縦一直線に縫い合わせた仕様が多いですが、こちらは1枚生地仕様です。
こちらは1950年代のカバーオールです。
ご参考に。
全て耳付きです。
また、裏側のサイドステッチが片側だけオレンジステッチ仕様です。1ヶ所目。
なんと脇下から袖口までずっと耳付きでした。
脇下辺りまでの耳付き&肩まわり裏だけオレンジステッチを使用しています。2ヶ所目。
しかもこのカバーオールにはまだ面白いディテールがあります。
この首元の耳は『赤耳』を使い、ボタンダウンサイドの耳は『黄耳』を使っています。
ちなみに脇下から袖口までの耳は『黄耳』でした。
荒々しい色落ちが素晴らしいです。
縦落ちの土砂降りです。
ポケットの簡素化でいいますと、上部の生地の裏は縫わないで折り返して縫っていません。
ドーナツボタン裏は銅製でゴツゴツしています。
銅製のドーナツボタン
ボタンホールはオレンジステッチが施されていました。3ヶ所目。
袖口ノーダメージです。
耳が付いてます。
全てダブルステッチです。
大戦モデルの面白くてカッコイイカバーオールでした。